マイホームの夢・・・遠のくなぁ。

 今年も全国公示地価の発表時期がやってきました。正確には3月18日に発表だったんだけど、石段登った話とか書いてたら、ちょっと遅れちゃった💦
 で、去年も書きましたが、今回は今年の公示地価がどのようになったかを書いていきたいと思います。

 まぁ、土地の価格と言っても色々あるのですが・・・実勢価格は様々ですが、公的価格では4種類あります。今回の公示地価もその中の1つとなっていて、実際の土地売買の参考となる価格となります。その他の公的価格としては、今回の公示地価を補完する『基準地価』、相続税算出で使用する『路線価』、固定資産税で使用する『固定資産税評価額』があります。これらの詳しい説明は去年書いた『公示地価が発表されましたっ!』で触れていますので、興味がある方はそちらの方をご覧になってください。

過去ブログ『公示地価が発表されましたっ!

 さて、今年の地価はどうなったのか・・・。まぁ、タイトル見ればお察しですが・・・地価が下がった方がマイホームの夢は近づきますが、経済的にはあまりよくありませんし・・・上がった方がいいのか下がった方がいいのか、悩ましい所です。

 では、去年と同様、全国・佐賀・鳥栖・・・と順を追って見ていこうと思います。

①全国的な傾向はどうなの?
②佐賀県ではどんな傾向?
③鳥栖ではどうなんだろ?

①全国的な傾向はどうなの?

 まず、全国的な今年の公示地価の傾向はどうだったのでしょう。全国的な傾向としては、住宅地+2.1%、商業地+3.9%、工業地+4.8%となっており、全用途平均では+2.7%となっています。工業地はコロナ禍の時も上昇していたのですが、全用土地、住宅地、商業地においてはコロナ禍時にマイナスになった以後、ずっとプラスの状況が続いています。
 どのように変動しているかというと・・・下の表の様になっています。

2020年2021年2022年2023年2024年2025年
住宅地+0.8%-0.4%+0.5%+1.4%+2.0%+2.1%
商業地+3.1%-0.8%+0.4%+1.8%+3.1%+3.9%
工業地+1.8%+0.8%+2.0%+3.1%+4.2%+4.8%
全用途平均+1.4%-0.5%+0.6%+1.6%+2.3%+2.7%

 うーむ・・・コロナ禍後は順調に上がってきているのですが、なんか、上昇幅が大きくなってきている感じがします。これもインフレの影響かしら?もしくは、景気が緩やかに上昇しているのかなぁ。後者だったらよいのだけど・・・。って、外国人の方の爆買いだったりして><;

 そして、三大都市圏と九州の雄・・・福岡の傾向はと言うと、ここ数年を見ると下の表の様になっています。住宅地と商業地だけを抜き出してみました。ちなみに、その年の上昇幅が大きい2県はオレンジっぽく、小さい2県は青っぽく塗り潰しています。

・住宅地の価格変動率

2021年2022年2023年2024年2025年
東京都-0.6%+1.0%+2.6%+4.1%+5.7%
愛知県-1.0%+1.0%+2.3%+2.8%+2.3%
大阪府-0.5%+0.1%+0.7%+1.6%+2.3%
福岡県+1.5%+3.2%+4.2%+5.2%+4.9%

・商業地の価格変動率

2021年2022年2023年2024年2025年
東京都-1.9%+0.6%+3.3%+6.3%+10.4%
愛知県-1.7%+1.7%+3.4%+4.2%+3.7%
大阪府-2.1%-0.2%+2.5%+6.0%+7.6%
福岡県+2.4%+4.1%+5.3%+6.7%+6.5%

                                             国土交通省『地価・不動産鑑定 地価公示』より

 と・・・こうやって見てみると、東京は値上がりが激しいのだろうなぁって想像していたけど、思ったより福岡の地価が上がっている感じですね。特にコロナ禍においても地価が上昇している事実には驚きを禁じ得ません。近郊に住んでる(福岡県内在住ではないけど・・・w)私としては、マイホームの夢が遠のいて、ちょっと切ない気がしますね。まぁ、逆に言うと、福岡の場合は地価上昇速度が速いので、場所によるかもしれませんが、早いうちにマイホーム(土地)を買うと、将来的な資産になるのかも・・・という期待もありそうです。

 ちなみに今年において住宅地で地価上昇率が一番大きかったのは沖縄県、商業地は東京都となっており、そのベスト3とワースト3は以下の様になっています。

・県別地価上昇率トップ3

住宅地商業地
1位沖縄県+7.3%1位東京都+10.4%
2位東京都+5.7%2位京都府+7.9%
3位福岡県+4.9%3位沖縄県+7.0%

・県別地価下落率トップ3

住宅地商業地
1位新潟県-0.6%1位鳥取県-1.0%
1位和歌山県-0.6%2位新潟県-0.7%
3位徳島県-0.5%2位島根県-0.7%

                                             国土交通省『地価・不動産鑑定 地価公示』より

 住宅地においては愛媛県・鹿児島県も-0.5%で並んでいる状況です。
 うーん、住宅地・商業地ともに上昇率トップ3に沖縄県が入っているのは意外かもだなぁ。時は『大リゾート時代』に入ってるのだろうか・・・。その他では商業地で京都が入っているあたり、沖縄県同様、インバンドなどの影響が色濃い今年の結果なのかな。
 また、下落率においては・・・うーん、人口減少の影響が色濃く出た結果なのかな。失礼な物言いではあるものの、過疎化が進みそうな県が多く出ているような感じです。やはり土地も人気投票・・・人口が増えそうな土地は値上がりしますし、過疎化が進みそうな土地は値下がりする・・・。なんかさみしい現実です。
 という事は、不動産で儲けようとする場合は・・・今回の表では県別でざっくりではあるものの、県の上昇率の傾向を調べ、上昇率の高い県から、より高い地域を選び、その要因を探ったうえで、高い上昇率が継続しそうなところを狙う必要がありそうですね。まぁ、マイホームで買う場合も将来的に値上がりが見込めないような場合は、ある程度減価することを覚悟して買う必要がありそうです。

 そして、今年の最高地価をマークした基準地なのですが、商業地は去年同様・・・『中央区銀座4丁目2番4』と山野楽器銀座本店前となっています。その価格は1㎡あたり6050万円・・・ここの土地を1㎡持っていたら、鳥栖では結構立派な家が建つお値段となっています。持っている人羨ましいなぁ・・・。って、固定資産税とか馬鹿にならないかな。ちなみに住宅地の最高価格ですが、1㎡あたり590万円となっていて、場所は『港区赤坂1丁目1424番地1』となっています。やっぱり港区かぁ・・・。まぁ、住宅地のトップ10には港区と千代田区ばっかとなっていますので、建材価格の高騰などもありますが、この辺のマンション価格が高騰するのは推して知るべし・・・ですね。
 価格自体だと東京ばっかりになってしまいますので、変動率の上位を見てみたいと思います。住所を書くと長くなっちゃうので、標準地番号で土地名は書いちゃいます。

・住宅地上昇率ベスト10

順位1位2位3位4位5位
場所富良野4白馬1宮古島6千歳19合志6
前年比+31.3%+29.6&+23.1%+22.9%+21.7%
順位6位7位8位9位10位
場所野沢温泉1石垣3石垣2福岡東42目黒8
前年比+20.9%+20.3%+19.3%+19.3%+18.9%

・商業地上昇率ベスト10

順位1位2位3位4位5位
場所千歳5-4千歳5-3千歳5-2白馬5ー1渋谷5-1
前年比+48.8%+42.9%+36.8%+33.0%+32.7%
順位6位7位8位9位10位
場所菊陽5-1台東5-4高山5-1台東5-5渋谷5-9
前年比+30.9%+29.0%+28.8%+25.9%+24.3%

                                             国土交通省『地価・不動産鑑定 地価公示』より

 こうやって値上がり地区のベスト10を見てみると・・・住宅地においては富良野・白馬・宮古島などの観光地が非常に多い感じがしますね。去年も同様の傾向だったことを考えると、インバンドで訪日した外国人の方が気に入って買ったり、外資マネーが観光地の不動産に流れているのではないかなぁという感じが色濃く出ていますね。商業地においては千歳がベスト3を占めていしまいました。千歳と菊陽はラピダスとTSMCの半導体工場が大きく関わっているのだろうなぁ。去年も同様の結果でしたので、息の長い上昇となっています。ただ、東京の地名も多く出ていますので、詳細は調べてはいないものの、東京の再開発のお話もよく聞きますし、その辺が関わってきているのではないかなぁという感じもします。

②佐賀県ではどんな傾向?

 全国的な状況は上記の様になりましたが、佐賀県はどの様な感じになったのでしょう。まずは、佐賀県の基準地(公示地価を調べる地点)数はどのくらいあるのでしょうか。

                                     佐賀県HP『令和7年地価公示(佐賀県分)の概要』より

 去年が137地点でしたので、若干減少している感じでしょうか。まぁ、この基準地がどのように増やされ(減らされ)るのか・・・私にはわかっていませんので、何とも言えない所ではあるのですが・・・需要の問題なのかなぁ。

 その減らされてしまいましたが、134地点における公示地価の変動は?と言うと・・・

区分住宅地宅地見込地商業地工業地
令和7年+2.2%+3.4%+3.4%+11.0%
令和6年+1.7%+5.4%+2.7%+10.1%
令和5年+1.2%+4.4%+1.6%+9.2%

                                      佐賀県HP『令和7年地価公示(佐賀県分)の概要』より

 となっています。宅地見込地は1地点しかないから無視するとして・・・すべての区分に上昇が加速してる感じがします。うーむ・・・佐賀の土地にもインフレの嵐が吹き荒れているのかなぁ。田舎の県(おっと失礼っ)なので、地価の値上がりは緩やかなのかと思ってたら、思ったよりも上昇している感じです。
 ただ、全体的に上昇している佐賀県の公示地価ですが、その中にあっても上昇率には差がある訳で・・・住宅地と商業地の上昇率上位と下位を見てみるとこんな感じになります。

・住宅地の変動率ベスト・ワースト5位

上昇率1位2位3位4位5位
基山町鳥栖市佐賀市吉野ヶ里町武雄市
+5.2%+3.7%+3.5%+2.5%+2.1%
下落率1位2位3位4位5位
多久市神埼市有田町鹿島市白石町
ー0.6%-0.6%-0.5%-0.2%-0.1%

・商業地の変動率ベスト・ワースト5位

上昇率1位2位3位4位5位
佐賀市鳥栖市みやき町嬉野市唐津市
+9.0%+6.2%+0.4%+0.4%+0.2%
下落率1位2位3位4位5位
神崎町武雄市有田町伊万里市鹿島市
-0.6%-0.6%-0.5%-0.2%-0.1%

                                        佐賀県HP『令和7年地価公示(佐賀県分)の概要』より

 うーん・・・商業地は地点数がが少ない事もあり、何とも言えない所でもありますが・・・住宅地を見てみるとなんとなーく東高西低な感じもします。おかしいなぁ。ゾンビランドサガは県西部が多いのに・・・。ただ、佐賀市・鳥栖市においては住宅地、商業地共に高い上昇率となっていますので、交通の便がいい所や都会?(まぁ、佐賀市は佐賀県の中では都会と言っても差し支えない・・・と思う)では、地価が上がり、もしくは福岡に近い所においては住宅地の地価の上昇傾向が見られるという感じでしょうか。商業地においては割と西部の温泉町も入っていますので、それなりにインバウンド等も関係しているのかなぁ・・・と感じます。

 で・・・佐賀の最高額の基準地ですが・・・去年と同様、『佐賀市駅前中央1丁目152番1』となっており、佐賀駅南口から少しだけ歩いたところになっています。ちなみに金額としては、29.7万円/㎡となっており、東京都とは比べるまでもないですが、やっぱりいいお値段しますね。
 住宅地では『佐賀市兵庫北5丁目151番地』となっています。去年は『佐賀市八幡小路130番外』でしたので、トップが入れ替わっています。とはいえ・・・㎡あたり900円の差なのですけどね。そのお値段は8.9万円/㎡となっており、1㎡の価格では手が届きそうでも、狭めの家を建てるとして100㎡必要だと考えると・・・うーむ、考え込むお値段になっちゃうなぁ。場所的にはゆめタウン佐賀の近くになります。

③鳥栖ではどうなんだろ?

 最後に・・・私が住む町・・・鳥栖市はどうだったのでしょうか。まぁ、佐賀県の所でもちょこちょこ名前が出てましたので、大体の想像は付くのですが・・・。
 鳥栖市の基準値の数としては、住宅地15、宅地見込地1、商業地4、工業地3の合計23地点となっています。去年と変わらない基準地の数ですね。また、佐賀県唯一の宅地見込地と工業地があるのが鳥栖である事も変わりありません。まぁ、工業地なんて他の市区町村にもあってもよさそうだけどなぁ。

 そして、その結果なのですが、次の表の様な変遷となっています。

2023年2024年2025年
住宅地+3.6%+3.3%+3.7%
商業地+3.7%+5.2%+6.2%
工業地+13.7%+10.1%+11.0%

                                佐賀県HP『令和7年地価公示(佐賀県分)の概要』より

 ここ3年間を見てみると、佐賀県平均と比べ、大きな上昇率となっています。確かに、近所を散歩していると、結構、家の建設工事してるもんなぁ。でも、JRは通っているけど、西鉄はないという事もあり、公共交通機関という意味では片手落ちって感じでもあるんだよなぁ。まぁ、高速道路のジャンクションもあり、車の移動だと非常に便利だし、佐賀県ではあるものの、博多まで快速でも30分で着いちゃうし・・・この辺が人気の理由だろうなあ。

 そして、去年もやりましたが、私の独断と偏見で選んだ基準地の上昇率を見てみようかと思います。去年と場所を変えるのも何なので、同じ場所での推移を見てみたいと思います(決して調べ直すのがめんどいから・・・ではないですよ?w

2021年2022年2023年2024年2025年2021年比
①本通町107000円109000円110000円120000円129000円120.6%
②田代外町44800円45300円45900円48500円51000円113.8%
③弥生が丘61000円64600円67900円71000円74700円122.5%
④神辺町15800円16000円16700円18600円18600円117.7%

 実際の住所は次のような感じになります。って、ここは・・・去年のコピペですね💦

①本通町1丁目字小原811番6外
 鳥栖市の公示地価の中では最高値となっていることから選んじゃいました。中央公園の南側(駅前の通り)であり、商店街の中心地となっています。西日本シティ銀行さんがあるあたりです。

②田代外町大字大木671番3
 旧市街(江戸時代の市街地)という事で選んでいます。再開発の余地が少ないからか・・・地価上昇は控えめに見えます。いろいろなところが近そうな住宅地で活用しやすそうなんだけどなぁ。場所的には田代中学校の正門の通りとなっています。

③弥生が丘6丁目104番外
 新興の住宅地という事で選んじゃいました。基山との境目ですね。新興住宅地、また、アウトレットが近いからかなぁ。結構な地価上昇率となっています。場所的にはアウトレットから下ってきたセブンイレブンさんの近くです。

④神辺町字土井内980番
 私が住んでいる町である神辺町という事で選んじゃいましたが・・・結構私の家から距離あるなぁ。地価自体は市街化調整区域(市街化を抑制するため、原則として建物が建てられない地域)という事もあり、お求めやすいものの、上昇率としてはそれなりではないでしょうか。場所的には17号線と長崎自動車道が交差するところの近くになります。

 うーん、どこも5年前と比べたら120%前後の上昇かぁ。年を重ねるほど土地のお値段あがっていくなぁ。この結果だけを見るとマイホーム建てるなら早い方がいいのかなぁとも思いますが、今は物価も上がっていますし、お給料も少しずつ上がっているはず(今年の春闘の集計では5%以上お給料上がるみたいです。自営業の私には関係ありませんが💦)。まぁ、どのタイミングでマイホーム建てるかは・・・お金の工面の問題もありますが、買いたい時が買い時・・・だと思いたいところです。あっ、これはFP失格の発言だw。マイホームは人生を左右するほどの大きなお買い物ですので、しっかりとライフプランを立て、無理のない購入を行わないと、後悔と借金だけが残りかねません。土地や建材、人件費の上昇もあり、値上がり傾向のマイホームですが、しっかりと熟考して購入を考えましょう・・・と、FPっぽく取り繕ってみました💦


 という事で、今回はマイホーム購入に大きな影響を与える、公示地価が発表になったので紹介してみました。まぁ、インバウンドの高まりによる外国人の方々の認知やインフレ等を考慮するともうちょっと上がるだろうなぁという気がします。ただ、全体的にはこれだけ上昇しているのに、地域によっては地価下落している所も散見される状況です。
 土地を買う場合はしっかりと将来の価格を視野に入れながら買わないと負動産となってしまう可能性も否定できません。不動産で商売をするのであればもちろんですが、マイホームにおいても『住むための購入だから問題ないっ』と思わないで、ちゃんと調べて買う必要がありそうです。特に少子高齢化が急伸する時代においては、人口過疎地での土地購入は十分注意する必要がありそうですね。


今回のリンクとして、国土交通省・佐賀県の公示地価のページを貼っておきますね。ついでに私の去年のブログも貼っておくかなぁ。

国土交通省『地価・不動産鑑定・地価公示
佐賀県HP『
令和7年地価公示(佐賀県分)の概要
過去ブログ『
公示地価が発表されましたっ!


今回も乱筆乱文、失礼しましたっ。