iDeCoとNISA・・・どっちがお得!?③
さて、前置きが長いと評判(になるほど読まれてませんが・・・)の私の文章ですが、最後にiDeCoとNISAどっちがお得!?という話をちょっと触れたいと思います。このどっちがお得という話は一瞬で終わりますので、まったくの蛇足となりますが、私がなんとなーく考えた各年代における投資に向ける余剰資金の振り分け方として何にどの程度振り分ければいいと思うかを書いていって終わろうと思います。お暇な方のみお付き合いくださいませ。
①どっちがお得!?iDeCoとNISA
②若年層(20代程度)時の投資の振り分け方
③青年層(30代程度)時の投資の振り分け方
④壮年層(40代程度)時の投資の振り分け方
⑤熟年層(50代~定年)時の投資の振り分け方
①どっちがお得!?iDeCoとNISA
どちらがお得かを書く前に、iDeCoとNISAは似て非なる制度ですので、その特徴を表にしてみたいと思います。
iDeCo | NISA | |
開始時手数料 | 掛かる(2829円) | 掛からない |
拠出時控除 | 所得税・住民税から控除 | 控除なし |
運用時手数料 | 掛かる(基本171円/月) | 掛からない |
運用時課税 | 掛からない | 掛からない |
投資信託手数料 | 掛かる | 掛かる |
取り崩し時期 | 基本60歳以上75歳まで | いつでも |
取り崩し時手数料 | 掛かる(440円/1回) | 掛からない |
取り崩し時税金 | 掛かる(控除あり) | 掛からない |
この表を見ると大きな違いとして『拠出時税控除』、『取り崩し時期』、『取り崩し時税金』となり、この違いが制度利用における大きな判断材料となりそうです。また、iDeCoはちょくちょく手数料を取られることもセコい私としては気になるところです。
iDeCoにおいては拠出時に税控除を行い、取り崩し時に課税される・・・、所謂『税金の先送り』という面もありますが、拠出時の控除(小規模共済等掛け金控除)が非常に強力で、取り崩し時に相当失敗しない限りは、iDeCoの方がより大きな税優遇が受けられるのではないかと思います。
しかしながら、iDeCoがNISAと比べ、人気があるのかと言うと、疑問符が付きます。これには主に2つの理由が考えられます。1つはiDeCoは年金として設計されており、基本的には60歳まで資金がロックされ、必要な時に自由に使えない事、もう一つはNISAは独立した制度であるのに対して、iDeCoは企業型確定拠出年金とリンクしており、移管その他の作業がめんどく、分かりにくい事が挙げられると思います。まぁ、移管に関しては国民年金基金連合会問い合わせながら行うとして、資金のロックはどうしてもお金が必要になった時に取り崩せないという事態になりかねず、始める事を躊躇わせることにも繋がるのではないかと感じます。
そこで、次からは年代別にiDeCoとNISA・・・どのように付き合って行けばいいか?を私の思い込みと偏見で書いていきたいと思います。私の勝手な考えですし、人生なんて千差万別ですので、人によって様々な考え、生き方があると思います。ですので、『ふーん』と言うぐらいの気持ちでお付き合いくださいね。
②若年層(20代程度)時の投資の振り分け方
20代・・・若いなぁ。いいなぁ・・・。と、羨望のまなざしは置いておいて、働き始めたばかりのこの頃はお金を貯めるというよりは経験を貯める時期ではないかと思います。仕事に必要な資格なども若い時に取得すると使える年数(手当などがでるなら、手当がもらえる年数)が増え、長期間にわたり、給料・ボーナスという形でお金を生んでくれることになります。ですので、経験や資格取得など、自分を育てる事をメインにお金を使っていく事が一番いいのではないかと思います。ですが、生活防衛資金(最低6か月程度生活する資金)程度を貯蓄することは目標とするべきでしょう。何が起こるか分からない世の中です。働いている会社が倒産するかもしれませんし、部署ガチャ(最近流行ってる?)で外れを引いて転職したくなるかもしれません・・・。万が一のためのお金は用意しておいた方が安心です。それで余裕があれば、いつでも取り崩しができるNISAの制度から使って投資をしていく事がいいと思うのですが、多少の金額をNISAで運用して、余りがあるのであれば、iDeCoの最低金額(5000円)を積み立てて、加入年数を増やすのも手かもしれません。
自分磨き | 生活防衛資金 | NISA | iDeCo |
50% | 35% | 10% | 5% |
余剰資金の使い方を勝手にパーセント付けしてみるとこのような感じでしょうか。
③青年層(30代程度)時の投資の振り分け方
この頃になると会社においても主戦力としてバリバリと働き、また、私生活においても結婚、出産、子育て・・・と忙しくしている頃ではないかと思います。また、マイホーム購入も視野にはいる頃とも思われ、何かとお金が掛かる時期ではないかと思います。
そうなると貯蓄に回せる金額は限られてくると考えられ、ななかな貯金ができないと悩むこともあるかもしれません。しかしながら、独身時代から夫婦二人時代は特に、また、お子様が小さなころは案外学費が抑えられますので、その時が第一の貯め時と考えられます。逆にこの時期に貯めておかないと、お子様が高等教育に入る頃に苦労する可能性が高そうです。
自分磨き | 定期貯金・国債など利率安定のもの | NISA | iDeCo |
20% | 40% | 30% | 10% |
この時期の余剰資金の使い方を独断と偏見で割合を付けてみるとこのような感じでしょうか。生活防衛資金はすでに溜まっているものとして割合を出しています。利率安定なものに多めに割り振るのは、結婚資金やマイホームの頭金など、いざ資金が必要になった時、NISAなどの投資商品のみで運用すると、相場が悪かった場合(株価低迷など)、泣きながら投資信託をなどを取り崩す必要があります。せっかく資産を増やそうと投資したにも関わらず、株価低迷時に手放すのは悔しさで涙が出そうですので、利率は低くても取り崩しのタイミングを計る必要がない資産である程度運用し、相場が悪ければ利率安定のものを取り崩し、相場が良ければNISAを取り崩すなど、臨機応変に動ける状況を作れればいいのではないかと思います。また、iDeCoに関しては20代の頃と同様、老後にはまだ時間がある事もありますので、余裕があれば最低拠出金額の5000円を拠出し、加入年数を伸ばし、将来の退職所得控除の期間を延ばす戦略でいいのではないかと思います。
④壮年層(40代程度)時の投資の振り分け方
この頃になるとお子様もある程度の年齢となり、学費の増加が想定されます。また、住宅ローンもまだまだ残っている世代となりますので、特にお子様が大学生の場合は家計的にかなり厳しい状態となるのではないでしょうか。ですので、生活費以外の支出の多くは住宅ローンの支払いと学費捻出になると思われ、単年では収支がマイナスの年も出るかもしれません。この頃からお子様が大学卒業(50台ぐらいまでかなぁ)までは耐える家計になる事が想定されます。
自分磨き | 定期預金・国債など利率安定のもの | NISA | iDeCo |
10% | 35% | 35% | 20% |
この頃の資産の置き方を考えた場合、30代の頃と大きく変わらないのではないかと思われます。ただ、退職、老後が近づいている事もあり、また、収入的にも上昇している(といいなぁ。)事が見込まれ、所得税・住民税の控除(小規模共済等掛け金控除)の効果も大きくなってくるのではないかと思われます。iDeCoを真剣に考え、節税効果を受けつつ、老後の備えを行っていく事も有効な手段ではないかと思います。
また、学費においてはNISAと定期預金・国債等の元本保証商品(厳密には違いますが・・・)の両建てがいいのではないかと思います。前で書いた結婚資金やマイホーム頭金と同様、学費は決まった時期に必ず出ていく資金となります。その決まった時期に相場が悪い場合、NISAで全額運用していた場合は厳しい状況へ追い込まれる可能性があります。そこで、資金が必要な時に相場が悪ければ元本保証商品の方から取り崩しながら相場が良くなるのを待ち、相場が良ければ逆にNISAから取り崩す・・・このようにすれば相場の高低によるロスも少なく、学費の捻出ができるのではないかと思われます。では、全部元本保証商品にお金を置いておけばいいじゃない?とも思われますが、元本保証商品は利率が低い事もあり、思う様に教育資金が増えない事も考えられますので、それを少しでも補う措置となります。
⑤熟年層(50代~定年)時の投資の振り分け方
この頃になるとお子様が大学、もしくは大学卒業の時期になるのではないかと思われます。晩婚化が進む今日この頃・・・まだまだ先という方もいらっしゃるかもしれません。ですが、お子様の大学卒業後が最後の老後資金の貯め時となっています。そこで、この時期にしっかりと老後資金を確保していきたいものです。
自分磨き | 定期預金・国債など利率安定のもの | NISA | iDeCo |
10% | 25% | 25% | 40% |
この頃の自己研鑽に掛けるお金としては・・・そろそろ定年退職後を見据え、長く楽しめる趣味なども良いのではないかと思います。もちろんお仕事に関係する事でも良いのですが、活用する期間が短くなることを考慮しながら定年後も役に立つかどうかを考えつつ行う必要があります。また、確実に老後を見据えた貯蓄になってくる期間でもあり、役職・役員定年などでお給料が下がる可能性もありますが、まだまだ高いお給料をもらえている期間が長いのではないかと思います。そこで、老後対策、節税対策の両方を備えたiDeCoに重きを置いた資産形成を行い、老後の安定を図るのがいいのではないかと思われます。また、60歳退職の場合で、嘱託社員として社会保険加入で働く場合、最低金額の5000円でもiDeCo加入を行い、退職所得控除の年数を稼ぐのも節税効果としては効果が大きいので、ぜひやってみてください。
と・・・まぁ、勝手にモデル世帯?における資産運用に力点配分を考えるという余計なお世話を書いてしまいました。これを書かないと文章量が非常に少なくなるという・・・勝手な事情をお含みください。
人生は人それぞれですし、お金の管理も人それぞれ・・・。ですが、制度の強みと弱みを把握し、自分に合った制度を使った資産運用を意識しながら貯蓄を行うと、困った事態に陥ることが無くなる・・・とは言いませんが、減少すると思います。税制的にはiDeCoが有利な事も多いと考えられますが、それに全振りすると・・・いざという時にお金が無いっ!という事態も招きかねません。賢く貯蓄し、賢く運用・・・そして賢く使う。お金はあくまでもツールであり、目的ではないことを念頭に置きつつ、賢明で豊かな人生を送っていきたいものですね。
まぁ、最後の年齢別の割合などは完全に蛇足だと後悔していますが(ならアップするなよっと言う声が聞こえてきそうですが、せっかく書いたので許してください。)iDeCoはお得ですが使い勝手の悪い(NISAと比べ・・・)制度となっています。しっかりと配分を考えながら運用し、特に出口戦略は気を付けていきたいですね。
最後に前回・前々回と同じですが、iDeCoの特設サイトと厚生労働省のサイト、また、私のNISAのブログを置いておきますね。
iDeCo公式ページ
厚生労働省『iDeCoの概要』
こちらは私の過去ブログですのでお暇な方はどうぞ。
新NISAについて①
新NISAについて②
新NISAについて③
今回は特に・・・乱筆乱文失礼しましたっ。